インプラント治療・口腔外科
インプラント治療
インプラントとは
チタン製のボルトを顎骨に埋入し、それを軸に人工歯を作る治療法です。歯を失った後に行う機能回復治療の一つで、入れ歯やブリッジと比較し見た目や使い心地が天然歯に近く、適切に管理をすれば15年以上もつ場合もあります。
審美性をはじめ機能性や耐久性にも優れていますが、顎骨の量が不足していると出来ないため、重度のむし歯や歯周病によって歯を失った場合は注意が必要です。事前に精密検査を行って顎骨の量が不足していると判断した場合は、別の治療をご提案することがあります。
インプラント治療のメリット
保険が使用できないため費用はかかりますが、インプラント治療ならではの強みも存在します。
- 自然な見た目で人工物だと気づきにくい
- 最終的な被せ物は、天然歯と並んでもほとんど見分けがつかないセラミックです。
- 独立タイプで他の歯に負担がかからない
- ブリッジのように両端の歯を削ったり、入れ歯のように他の歯に支えてもらったりする必要がありません。
- 違和感が少なく天然歯と同じように使える
- 入れ歯のように歯列からはみ出ている部分がないため、違和感が少なく発音にも支障をきたしません。
当院で使用するインプラント
JMM社(京セラ)のPOIインプラントを使用しています。
顎骨が薄くてあまり強くない日本人向けに開発された、日本製では最も歴史あるインプラントシステムです。 顎骨に埋入するインプラント体の表面がハイドロキシアパタイトコーティングされているため、他のメーカーよりも顎骨との結合期間が短く済みます。
インプラント治療の流れ
1精密診断による確実な治療計画
パノラマレントゲンだけでなく、骨の厚みや奥行き、大切な神経や血管の位置などを立体的に確認できる歯科用CTも撮影します。
情報を多く集めることで治療の成功率が上がり、患者さんへの説明も具体的にすることが可能です。状態がしっかりと把握できれば、安心感にもつながるでしょう。気になる点やご不安な点がございましたら、遠慮なくご相談ください。
2インプラント埋入手術(1回法)
治療のやり方は2種類あり、手術が1回で済む1回法と、インプラント体を埋入した後に歯ぐきをしっかりと閉じて数か月待ち、再び切開して続きを行う2回法に分けられます。
当院では、顎骨がしっかりとあり、隣接する歯との距離が確保できているケースでインプラントを埋入するため、1回法をメインとしています。
体への負担が少なく、治療期間が短縮できる点がメリットです。
治療中は体調に異変があった場合にすぐに対応できるよう、血圧や呼吸、体温測定などが可能な生体モニターを使用します。
また、超音波の振動を利用して骨の切削を必要最小限に抑える超音波手術器バリオサージを導入しているため、より安全で正確な治療が可能です。
3オッセオインテグレーション期間
インプラント体と顎骨が結合するまでの期間を指します。
顎骨がしっかりしている場合は、下顎なら3か月程度、上顎なら6か月程度です。期間中に歯ぐきが腫れるとうまく結合しない可能性があるため、お口の中は清潔に保ちましょう。
4人工歯の作成・装着
インプラント体と顎骨がしっかり結合したら、最終的な被せ物を制作します。
型取りをして完成まで1週間ほど待ち、セットしたら治療終了です。
インプラントを長く使うためにも、治療後は定期検診をお受けください。
インプラント治療の注意事項
2回法は、1回目の手術後に歯ぐきを完全に閉じますが、1回法はアバットメントという部品が歯ぐきから出た状態にして歯ぐきを縫合します。そのため、2回法よりも歯ぐきや顎骨の感染リスクが高く、丁寧なお手入れで清潔な環境を維持することが大切です。
インプラント体が顎骨に結合するまでの間は、アバットメントに力が加わらないよう意識して食事をとってください。
顎骨の厚みや量が足りない場合は、1回法を安全に行うことができないため、別の治療をご提案したり、症例によっては協力医院をご紹介することもあります。
定期的なメインテナンスにお越しください
インプラントはむし歯にはなりませんが、特有の歯周病である「インプラント周囲炎」に注意が必要です。脱落のリスクがあり、一度インプラントがグラつくと治すことは難しいといえます。
治療のやり直しが必要になると別途費用がかかるため、定期的なメインテナンスを受けてトラブルを回避しましょう。
料金・治療期間
自由診療
費用:手術 275,000円~350,000円(税込) / 補綴物 110,000円~160,000円(税込)
治療期間:症例による
口腔外科
口腔外科とは
一般歯科では対応が難しい親知らずの抜歯や、粘膜異常、顎関節症、外傷などの治療を行っている専門分野です。
親知らずの生え方にはいくつか種類があり、一部しか生えていない、または完全に埋まっているタイプの親知らずを抜歯できます。粘膜異常では、口内炎から悪性腫瘍まで幅広く対応しており、重度の顎関節症や外傷など手術が必要な症例でも、必要な設備が整っているため安全に治療が可能です。
口腔外科での治療が必要な症例を放置していると、お口だけでなく全身の健康にも影響する可能性が高いため、お悩みの方は早めにご相談ください。
親知らずの抜歯
他の歯のように真っすぐ生えている場合は、お手入れがしっかりできていれば抜歯の必要はほとんどありません。しかし、一部だけしか生えていない場合は、親知らずと歯ぐきの境目から汚れが入り込むため、免疫力が低下したり疲労がたまったりしたタイミングで歯ぐきが腫れる可能性があります。むし歯も発症しやすいことから、早めに抜くことをおすすめしています。
一部だけしか生えていない、または完全に埋まっている親知らずは、歯ぐきを切開した後に歯を分割して抜きます。骨を削る処置が必要になる場合もあり、難しいケースであればそれだけ時間がかかります。手術後の腫れや痛みがでる可能性もありますが、基本的に処方するお薬で対処可能な範囲ですので過度な心配はいりません。
不安や恐怖心が強く抜歯が困難な方に対しては、専門医院と連携して抜歯処置を行う場合もあります。